2軸傾斜計を4CHデータロガーGTR-04Gに接続し、小型軽量12V×7.2Ahバッテリで駆動する基本パターンです。10分〜1時間の計測ピッチなら、この程度のバッテリで半年以上計測できます。
4CHロガーは2軸傾斜計を2台まで接続できます。より多くの傾斜計を接続する場合は、24CHデータロガーGTR-24Hが利用できます。
この基本パターンに、太陽電池と充電コントローラを加えれば、バッテリ交換を行わず長期の計測ができます。また、無線機やFOMA通信装置を用いた遠隔監視も可能です。
表:地表傾斜計とデータロガーの接続機材の価格例機材 | 型式 | 価格(税別) | 仕様 |
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傾斜計 | 高精度傾斜計GIC-10W | \98,000円 | こちらへ |
傾斜計パイプ加工 | VP25A×30cm管に装着 | \5,000円 | |
データロガー | 4チャンネルロガーGTR-04G | \184,000円 | こちらへ |
バッテリ (注1 | 軽量リチウムフェライト電池12×7.2Ah | \16,000円 | こちらへ |
バッテリ架台 | 上記バッテリ制御盤取り付け用金具 | \6,000円 | |
太陽電池 | 小型ソーラ12V×3.8W 単管架台付 | \30,000円 | |
充電コントローラ | ソーラ充電コントローラMC-125 | \13,800円 | こちらへ |
屋外用樹脂ボックス+雑材 | IP44 OPK-1843 400*300*180相当 | \15,000円 | |
制御盤組込み加工費 (注2 | 上記機材収納、単管用金具取り付け | \30,000円 | |
梱包・送料 | 上記、国内運賃 | \2,500円 | |
合計 | \400,300円 |
これらの傾斜計の観測機材を設置した場合のイメージは次の写真のようになります。
汎用・低コスト傾斜計GIC-30Wは、塩ビ管に装着して30cmほど地面に埋め込むことで、温度変化の影響を最小にして安定した計測が可能です。本体を地面に直接埋め込んでも問題ありませんが、塩ビ管に装着することで、設置作業が容易になります。
高精度型GIC-10Wは温度変化に対して、GIC-30W形より1桁安定していますが、地中に埋め込めばより安定した計測ができます。
傾斜センサ本体は完全防水なので、穴を掘り土で埋め戻したり、地盤とより密着させるために、モルタルやコンクリートで固めるような設置も可能です。
傾斜計を地表に埋め込む手順 【参考】簡単設置例⇒ちょい打ち傾斜計[PDF]
汎用傾斜計GIC-30W 塩ビ管装着。ケーブル5m付 |
単管パイプ等を打ち込み 傾斜計挿入孔をあける |
赤線(X軸+)を合わせ 傾斜計を穴に挿入 |
砂を詰め最後に 水締めすれば安定 |
埋設深度は、1mのソケットレス塩ビパイプを連結して調整できます。これまで、深度1mから5mの実績があります。
高精度傾斜計GIC-10Wは、温度変化に対する安定性が高いため、地表構造物の計測にも使えます。但し、直射日光を浴びると、さすがに高温になり温度ドリフトによる計測誤差が出るため、通気性のある日よけのカバーを付けてお使いください。
コンクリートの橋脚に取り付けた例傾斜計のコンクリート面への設置 | 日よけカバーの取り付け例 |
現在までに、多段傾斜計で、実績がある最大深度、個数は以下の通りです。
●深度15m,1mピッチで15台設置,GIC-30W型
●深度20m,2mピッチで10台設置,GIC-30W型
性能的には、より深い深度、より多くの個数が設置可能ですが、現状は、GIC-30Wでケーブル長30mまでしか製造しておりません。
30m以上の深度やGIC-10Wの多段構成の場合は、受注製作となるため、製作工程によっていは、数ヶ月のお時間をいただく場合もあります。
多段構成にする場合は、VP25Aの1mソケットレスパイプを連結し、ケーブルを外側に束ねる外線構造になります。輸送時は傾斜計を固定した20cmのパイプと、連結用の80cmのパイプに分かれています。
20cmと80cmのパイプは、接続部が外にはみ出さない「ソケットレス加工」されており、2本つなぐとちょうど1mになります。
電線をパイプ歪計同様、電線をパイプの外に固定する外線式となります。挿入作業はパイプ歪計と同じ手順です。パイプひずみ計はVP40Aの管ですが、この傾斜計はこれより一回り細いVP25Aなので、φ66mmのボーリング孔に十分挿入可能です。
次回更新時に追加予定