雨量計は周囲に建物や樹木の陰によって降雨が遮られないような開けた場所に設置されることから、時には強風にさらされ、また降雪地域では雪が積もります。
長期間、安定した雨量観測を行うためにはしっかりとした土台(架台)が必要になりますが、架台の形状は統一されておらず、ユーザの個別の事情に合わせて設計され、雨量計専用架台として製品化されているものはほとんどありませんでした。
雨量計架台GRH-01SUSは、従来市販されている雨量計に取り付け可能です。また単管パイプ(外径48.6mm)にボルト締めで取り付けるだけのため施工も容易です。
雨量計を真下から支える支持方式のため、特定の方向の風の影響を受けにくく、積雪時においても圧縮荷重に耐えます。また、細円柱架台の特徴として、他の形状に比べ気流への影響が相対的に小さかった、という報告(青嶋ほか,2013)もあります。主役(雨量計)を陰で支える縁の下の力持ちです。
[1]青嶋忠好 ほか:「雨量計周囲の気流に架台が及ぼす影響についての調査報告」,測候時報,第80巻,2013. pp. 1-5.
ネジやリベットなどで部材締結すると結合部に緩みやガタが生じて破損に繋がる恐れがあることから、雨量計架台GRH-01SUSは、職人による溶接仕上げにこだわりました。流量計測のノッチタンクや沈下計の水槽タンクの溶接も得意とする熟練の技術者が丹精込めてひとつひとつ溶接しています。
ステンレスの溶接は、熱によるひずみが生じやすく熟練した職人でないと接合部が均一にならず、きれいに仕上がりません。一見すると控えめな溶接跡は、確かな仕事の証です。
また、材質は長期間の屋外使用を想定したオールステンレス製です。不必要な反射光を抑えるため、鈍い光沢を持つマット調の仕上がりです。長期使用の場合、腐食が問題になりますが、ステンレスは不動態皮膜の形成により腐食の進行速度は鉄のそれと比べて緩やかです(ただし、塩水など塩素イオンにさらされる環境では不動態皮膜が破壊されるため腐食が進行します)。板厚3mmのステンレス板のため、少々の外力を受けても変形いたしません。
この架台は、雨量計の水平レベル調整ができるため、多少傾いた単管パイプでも、水平にしっかりと雨量計が固定できます。
雨量計を取り付ける前に、架台の天板の穴位置に付属のボルトを通し、雨量計の足(3ヶ所)とします。
架台は単管パイプ(外径48.6mm)に上から被せて、脇のボルトを締めて、単管パイプに固定します。その後、雨量計本体が水平になるように、3本の足の六角ナットで調整します。
日本国内で製造・販売されている大多数の雨量計や降雨強度計に適合します。
型式 | 名称 | 製造元 |
---|---|---|
GRC-01 | 簡易雨量計 | ジオテクサービス株式会社 |
RT-5E | 転倒ます型雨量計 | 株式会社池田計器製作所 |
RT-1034, RT-1036 | 転倒マス式雨量計(雨雪量計) | 光進電気工業株式会社 |
OW-34-BP | 転倒マス型雨量計 | 株式会社大田計器製作所 |
OW-RFI | 転倒マス型雨量計 | 株式会社大田計器製作所 |
RS-102 | 転倒ます型雨量計発信器 | 株式会社小笠原計器製作所 |
TKF-1,TKF-2 | 雨量計 | 竹田計器工業株式会社 |
OT-501 | 転倒ます雨量センサー | 大田商事株式会社 |
WB0015 | 雨量計感部 | 横河電子機器株式会社 |
B-061 | 降雨強度計感部 | 横河電子機器株式会社 |
RS-2 | 雨量センサ(雨量発信器) | 株式会社オサシ・テクノス |
CTKF-1 CTKF-2 | 雨量計 | クリマテック株式会社 |
項目 | 仕様 |
---|---|
型式 | GRH-01SUS |
用途 | 受水マス口径200mmの標準雨量計用の架台 |
水平調整 | ボルト・ナットによる3点調整 |
適合パイプ | 単管パイプ(外形φ48.6mm、肉厚2.4mm)に差込みボルト固定 |
材質 | SUS304-2B |
外形寸法 | φ220mm×H103mm(ボルト部分が約50mm立上り) |
重量 | 1.4kg(ボルト類含む) |
設置の際には下記のサイズで干渉物等を考慮してください
通常在庫品として取り扱っておりますが、ボリュームディスカウントも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
※在庫は一定数ありますが、在庫切れの場合、製作に一ヶ月程度掛かる場合があります。
外観 | 型式 | 価格(税別) |
---|---|---|
GRH-01SUS | ¥38,500 2024年3月価格改定 |
※上記価格には梱包送料(日本国内¥1,500円以内)は含んでおりません。
この製品は、お客様のご要望に応じ、次の2つの対応窓口があります。
製品単体の価格や購入・仕様に関するお問い合わせは、製造工場のある【阿賀野Lab(あがのラボ)】鉄工部に直接お問合せください。
〒959-2011 新潟県阿賀野市千原245-1雨量計を含む計測システム全般に関するご相談は、設計・開発を担当する【新潟 本社】にお問合せください。
〒950-0951 新潟県新潟市中央区鳥屋野4丁目7-22当社は、自社工場を有し、設計、製造、設置、販売の一貫体制をとっています。
在庫品は、単管パイプに取り付ける仕様ですが、他のパイプやポールに取り付ける金具や、しっかりとした自立スタンドの製作も行っております。
既に、架台の図面がある場合は、図面をお送りいただければ、概算見積りを行います。
製作図が無い場合、手書きのイメージ図から、設計図を起こすことも可能です。但し、その場合は、製品に図面作成費用が上乗せされます。
自社工場(阿賀野ラボ 鉄工部)での設計・製作のため、細かい要望にも応じられますので、お問い合わせください。
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