超小型、低価格の投げ込み式の圧力式水位センサ。通称スマート水位計 水位センサの先端部 φ13mm×63mm
Newジオテクサービスの小型・低価格の投げ込み式スマート水位計の紹介です。 2018-09-07   

スマート水位計! より細く、丈夫に、より安価に

水位計の仕組みには大きく分けて、接触式の圧力式水位計やフロート式水位計と、非接触式の超音波水位計や電波式水位計があります。

水に直接触れる接触式は,設置条件の制約がありますが、安定して正確に水位が測れます。離れた場所から測定する非接触式は、設置の自由度が高い反面、雨霧、水面の波立ち浮遊物などで測定値が乱れる問題もあります。

接触式水位計の代表格は圧力式水位計です。この水位計の原理は、圧力センサーを水に投げ込み水圧変化で水位を測定します。別名「投げ込み式水位計」と呼ばれます。細い穴や管の中に投げ込んで使えるので河川水位、井戸、ボーリング孔など土木建設分野でよく利用されるセンサです。

従来の投込式水位計をデジタル伝送技術で小型・低価格・短納期に変え、さらに圧力式水位計に必須の大気圧開放チューブを無くしたのが、この”スマート水位計”、別名チューブレス水位計です。

地下水観測や、中小河川向けの接触式の低コストな危機管理型水位計。スマート農業向け小型水田水位計、ため池、用水路、水門・ゲートなど水位調整施設用の高精度な簡易水位計として使えます。

圧力式水位計(投げ込み式水位計)の水位センサの大きさ比較-低価格の細型水位計です 圧力式水位センサの大きさ比較:左から太さ25mm,19mm,13mm,10mm

まず外観は、直径13mm、長さ60mmの細く短い水位計です。従来の圧力式水位センサの太さは、直径1インチ≒25.4mmが主流です。より細い直径19mmの製品も市販されています。ただ、それより細い深井戸用の13mmや10mmの細型水位計価格は高価です。

この水位計は、従来の圧力式水位計に必須であった「大気圧開放チューブ」と「アナログ増幅アンプ」を無くしました。水圧を先端部で直接デジタル変換し、さらに大気圧変動を地上の大気圧センサでソフト補正し水位を計算することで、部品点数を大幅に削減し、小型化と低価化を実現。

細型の安価なアナログ出力やシリアル出力の水位計をお探しの方は一度、従来の圧力式水位計と比較してみてください。

▲Topへ  ▼末尾へ

土木建築分野における水位センサの用途

建設分野では、屋外環境で水位を測ることがよくあります。レベル計測の対象は大きく分けて2つあります。川や湖、ため池などのオープンな水面と、地面の下の地下水面です。

投込み式の水位計は、水中にセンサを投げ入れるだけで水位を計測できますが、実際の野外でセンサ設置する際には、さまざまな制約が伴います。

たとえば地下水位測定で、VP40mmの細井戸水位観測孔に地下水位計と水温計や電導度計・pH計をまとめて入れたい。深井戸の直径20mmの細い水位測定管にセンサ挿入。河川水位では、屈曲したパイプにセンサを出し入れしたい。などの要求もあります。

小型化で設置の自由度が増します。

砂防堰堤に設置した投げ込み式水位計
浅井戸の中に設置した圧力式水位計
砂防堰堤に取り付けた水位計 浅井戸の中に下げた水位計
河川護岸の保護管内、保護パイプ内に設置した河川水位計
深井戸のVP20Aの水位測定管に設置した水圧式水位計
川の護岸の保護管内に設置した水位計 深井戸のVP20A水位測定管に設置した水位計

この水位計が入る最小管径は、塩ビ管のサイズでVP16です。深井戸の水位側管の奨励サイズはVP20ですが、VP16でも屈曲が少なければ十分入ります。

写真は、内径18mm(外形21mm)のアクリル管に挿入した状態です。クリアランスに余裕があります。VP20以上であれば、ポンプのフランジ部分を通る際の曲がりがあっても楽に入ります。

なお、センサ先端部の外形が13mmなので、VP13だと頭がギリギリ入リま、深く挿入は無理です。

直径13mmの細型水位計を内径18mmの細いアクリル管に挿入した状態(クリアランスは5mm) 直径13mmの細型水位計を内径18mmの管に挿入した状態(クリアランスは5mm)
▲Topへ  ▼末尾へ

大気圧変動とソフト大気圧補正の仕組み

圧力式水位センサで避けて通れない問題は、気圧変動の影響です。

大気の圧力は高気圧と低気圧の通過のたびに日々変動します。これが、圧力センサの計測値に影響します。日々の気圧変化は、水位に換算する最大±20cmの水面の変動に相当します。

次のグラフは、実際の大気圧の観測例です。低気圧と高気圧が入れ替わる5日間で、30hPa。水圧で約30cmの気圧変化が発生しています。

新潟市の気圧変動と水圧センサの大気圧補正の必要性 大気圧変化の観測例
▲Topへ  ▼末尾へ

大気の圧力は水面にも働きますので、水中の圧力式水位センサは、この大気圧の変動も測定してしまい、水位が正確に測れません。

そこで投げ込み式の圧力水位計は、次のような方法で大気圧変動の影響をキャンセルしなければなりません。

1.大気圧開放チューブによるハード補正

水位センサの電線ケーブル内に、直径1〜2mmの細いチューブを入れておき、地上の大気を、水中の圧力センサの背面まで導き、ハード的に大気圧をキャンセルする一般的な方法です。

きわめてシンプルな大気圧補正の仕組みですが、センサ先端の電気的にデリケートな部分を大気に開放する構造のため、このチューブから水滴や湿気が徐々に入り、水位センサが故障するケースもあります。

水位センサの大気圧開放チューブ入りケーブルの例 一般的な圧力式水位センサの大気圧開放チューブに防湿用シリカゲルを接続した例

湿気の多い環境で大気圧開放式の圧力型水位計を使用する場合、大気圧開放チューブの先に防湿用の乾燥剤を接続します。

乾燥剤は1〜2年で交換しなければなりません。大気圧開放型の水位計を、湿度の高い環境で長期間使用する場合は、湿気を通さず気圧のみを伝えるベローズ式の大気圧開放ボックスを使う手も有ります。

従来の投げ込み式水位計は大気圧開放チーブでハード的に大気圧を補正-水位センサーの大気圧変動の除去方法(ハード補正) 従来の投げ込み式水位計は大気圧開放チーブでハード的に大気圧を補正

【参考】大気圧開放チューブ入りケーブルの価格※1は概ね1,500〜2,000円/mです

ケーブルが長くなるにつれて、水位計の値段に占めるケーブル費用の割合が増加します。特に水位観測井の場合、設置深度が大きいとケーブルも長くなります。仮に1mあたりのケーブル費用を1600円とすると、

圧力式水位センサは高価な大気圧開放ケーブルを使うため、ケーブル長が決まってから製作する受注生産です。このため水位計の納期が3週間から2ヶ月と長くなる傾向があります。

※1 日本国内で販売されている平均的な水位計。2018年5月現在

▲Topへ  ▼末尾へ

2.もう一台の気圧センサでソフト補正

水中の圧力センサと別に、空気中にも、もう1台同じ水位センサを設置し、後で2つの圧力センサの差分を計算するソフト的な手法です

通常、このソフト的な大気圧補正方法が用いられるのは、コードレスの絶対圧型水位計です。圧力センサとデータロガーと電池が一体となった水位計を水中に投入し水位観測を行い、定期的に引き上げてデータをパソコン等で回収します。

ロガー一体型の投げ込み式水位計の観測井戸への設置イメージ
従来の「ロガー一体型投込式水位計」を観測井戸から引き上げた例

大気圧補正が必要な場合は、地上にもう一台、同じ水位計を設置しておいて、回収したデータをエクセルに読み込み、手作業で大気圧を差し引きます。

ロガー一体型の水位計は、低コストで設置も簡単です。但し、大気圧補正が必要な細かな水位を計測する場合、地上と水中に2台の水位計を設置し、データ回数のたびにセンサを引き上げ、差分計算を行わなければなりません。

水位センサーの大気圧変動の除去方法-従来のソフト大気圧補正は、2台の絶対圧水圧センサを使用 絶対圧型の水位ロガー2台を使う従来のソフト大気圧補正
▲Topへ  ▼末尾へ

3.新しい補正方法:水圧・気圧一体型センサによるソフト補正

ここでご紹介するのは、新しいタイプのソフト大気圧補正の仕組みです。

2台の圧力センサを使って、水圧と気圧を測るのは、従来の2台の水位ロガーを使うのと同じです。違いは、水圧と気圧のセンサを一体化し、大気圧変化を除いた水位変動だけを出力する点です。

水位センサーの大気圧変動の除去方法-水圧・気圧一体型センサによる、ソフト大気圧補正の仕組み 水圧・気圧一体型センサによる、ソフト大気圧補正の仕組み

写真は、ソフト大気圧補正に用いる地上の気圧補正部です。矢印の先の小さな穴が気圧導入孔です。この気圧計部分も防滴構造ですから、従来の大気圧開放チューブの先に付けていたような乾燥剤は必要ありません。2台の水位計を使う方法に比べても、リアルタイムに大気圧補正ができるメリットがあります。

地上で大気圧を測定し大気圧補正を行う水位計の気圧導入孔
大気圧補正用の気圧測定ユニットに空けられた気圧導入孔

最後に、従来の大気圧開放チューブによるハード補正と、気圧センサによるソフト大気圧補正の違いをまとめてみました。大気圧補正チーブが無いことで、水位計内部の空間が不要で、完全モードが可能になりました。その結果、小型化や、防水性能向上、電気絶縁性強化など副次的なメリットも出てきました。

水位測定における水位計の大気圧変動の除去方法の比較、ハード補正とソフト大気圧補正 水位観測における、大気圧変動の除去方法のハードとソフトの比較

▲Topへ  ▼末尾へ

投げ込み式水位計の弱点=誘導雷対策

雷に弱い投げ込み式水位計

投げ込み式水位計には、もう一つの大きな弱点があります。それは、雷に弱いことです。

落雷の対策として避雷器とアースがあります。通常の電子器は、雷で電線に誘導された高電圧(誘導雷)を、途中の避雷器で大地に接地したアース棒に逃がします。

ところが、水位計は、アース棒より電気の通し易い水中に設置されています。このため雷の電流がアース棒に逃げず、電子回路から、電気の通りや易い水位計の金属ケースや先端の金属ダイアフラムを経由し水中に放電してしまうことがあります。

特に地下水観測の水位計は、地表に接地されたアース棒より、雷の電流が流れ込みやすい地下深くに設置されるため、水位計の損傷確率が高くなります。

 
雷(誘導雷)で投げ込み式の水位計が壊れ易いメカニズムと対策 雷で投げ込み式の水位計が壊れ易いメカニズムと対策

次の写真は、通常の圧力式水位計の先端のステンレスの受圧盤(ダイアフラム)から雷の電流が水中に流れた際に、スパークで金属板が溶けて穴が開いた例です。このケースでは穴から水が入り水位計の内部が水没していました。穴が開くまで激しくスパークしなくても、水位計の中を電流が流れ出ると、途中の電子回路は焼けて壊れてしまいます。

圧力式水位センサのSUS製受重板が雷放電のスパークで溶けて穴が空いた例
圧力式水位センサのSUS製受重板が雷放電で溶けて2mmほどの穴が空いた例

避雷器の限界と配線遮断

水圧センサの雷対策としては、避雷器やアースの性能を上げる手があります。しかし、「水中の金属製圧力センサ」は、電気を通しやすい「高性能のアース棒」となるため、避雷器での防雷に限界があります。

別のアプローチで、水位センサの雷対策に避雷リレーという製品もあります。これは、昔から言われている「雷が来たら電気製品のコンセントを抜け」という教訓どおり、測定時以外は水位計の電線を計測器から切り離し、誘導雷の流れる経路を物理的に遮断する方式です。

この回線切断方式が有効なのは、1時間に1回程度の間欠計測の場合です。短い間隔で計測する場合は、回線が繋がっている時間が長くなるので、雷被害の確率が高くなってしまいます。

水位計用の回線切断式の避雷器−サージプロテクトリレーの外観
水位計用の回線切断式の避雷器−サージプロテクトリレーの外観

センサ絶縁による雷対策

今回、ご紹介する水位計は、もう一つのアプローチで、電気の流れを止めます。水中に入るセンサの先端部を樹脂で固め、雷の電流が水位計の中を通って水中に流れ出さないようにします。

ちょうど高圧送電線に止まった鳥が感電しないように、雷の高電圧が水位計に掛かっても電流が流れ出なければ電子回路は焼けません。

この樹脂モールドによる防水・絶縁構造は傾斜センサなどにも採用されています。

高圧送電線のイメージ(夕日と送電鉄塔)
高圧送電線のイメージ
▲Topへ  ▼末尾へ

大気圧ソフト補正型のデジタル水位センサ

今回ご紹介するセンサは、気圧センサを使って、大気圧の「ソフト補正」を行うセンサです。水中の圧力センサと一対の大気圧センサが、地上のコンバータ(変換器)に組み込まれています。

コンバータに内蔵されたマイコンは、大気圧の差し引き計算を行い、正味の水圧変化分だけを電圧に変換して出力します。仕組み的には絶対圧センサ2個で大気圧をキャンセルする、ハード+ソフトの複合型のレベル計です。

大気圧開放チューブ無し

水圧測定原理は、既存の圧力センサと変わりませんが、大気圧開放チューブが不要となり、先端部を樹脂モールドすることで、さまざまなメリットがあります。

センサ構造は簡単になり、ケーブルの延長や接続も容易です。高価な大気圧開放チューブ入りケーブルが不要になりコストや納期も圧縮されます。

スマート水位コンバータの構成。水位センサ部とアナログ電圧変換部
スマート水位コンバータGSC-01A(Geotech Smart Converter No.01 Analog type)
左:水圧センサ部(1m計+ケーブル10m)、右:アナログ+RS-485変換部(気圧計内臓)

プラスチック製センサー

また水中に入る圧力検知部が、電気を通さないプラスッチクで充填されています。先端の圧力検知部分も樹脂でコーティング済みで、水位計全体が電気的に絶縁構造(≒防爆構造)です。このため雷の誘導雷による損傷の危険の危険が減ります。

樹脂モールドされた水位計のセンサ回路部 樹脂コーティングされた水位計の水圧感部(ダイアフラム)
樹脂モールドされたセンサ回路部 樹脂コーティングされた水圧感部
センサ部の交換可能

この水位計はセンサ部と変換部が分離されてるため、測定レンジに応じセンサ交換も可能です。

また変換部は、センサを交換し多目的に使えることから"スマートコンバータ"と呼んでいます。このコンバータと圧力センサを接続したのが「スマート水位計」です。

今後「非接触のレーダ式水位センサ」(開発中)の接続も予定していますので、河川やため池で、設置条件に応じ、投げ込み式やレーダ式が選定できます。低コスト水位計ですので接触式、非接触式の2タイプの水位計を併用する選択もあります。

河川やため池向けの簡便なレーダ式レベル計の開発イメージ
参考:河川やため池向けの簡易なレーダ式レベル計の開発イメージ
▲Topへ  ▼末尾へ

この水位センサには3つのタイプがあります

水位センサについては下記の3タイプがあります

アナログ+RS-485出力型のスマート水位計GSC-01Aのサンプル出荷を行っています。詳細は次の項目をご覧ください。

SPIやI2Cのデジタル出力型は、OEM組込用で受注生産となります。製品仕様はまだ流動的ですが、参考までに”デジタル出力型の暫定仕様書”を示します。

●データロガータイプは、現在設計中で2019年度に販売開始の予定です。

スマート水位コンバータの仕様一覧表 スマート水位計の製品体系
▲Topへ  ▼末尾へ
yellow

スマート水位計GSC-01Aの仕様

特徴

●小型・低価格・短納期の圧力式水位センサです。

●河川、ため池、井戸、ノッチなど屋外施設に設置、センサより上の水圧を計測。

●大気圧補正を気圧センサで行うため,「大気圧開放チューブ」不要で延長容易。

●出力は、標準のアナログ電圧と、長距離伝送用RS-485を内部コネクタ切替。

●6〜18Vで動作し消費電流20mA前後と少なく太陽電池やバッテリ駆動に適す。

主な仕様

水位センサのスペックをまとめました。

表:スマート水位コンバータGSC-01Aの仕様   PDFカタログはこちらで
区分 項目 GSC-01Aの仕様(Geotech Smart Converter Analog type)
センサ部 方式 絶対圧センサ(防水型)
測定範囲(mmH2O) 1, 10, 50, 100, (300m)
付属ケーブル10, 30, 70, 100, 300m
最大計測範囲 2, 15, 75, 150, (300m) カッコ内は受注生産品
センサケーブル延長 300m以内(商用電源ノイズが多い場所では100m以内)
分解能 1~10m:1mm, 50m:1cm, 100m:2cm
測定精度 1〜10m:±0.3%F.S、50m以上は±0.5%F.S.
使用温度範囲 -30〜70℃(変換器は-20〜50℃)※凍結対策はオプション
変換部 サンプリング時間 1.0秒以内(電源投入後約1秒で計測開始、2秒で安定)
電源電圧 12V(6〜18V)注:試作品は上限30Vでしたが現行18Vです
消費電流 最大24mA(平均17mA、外部出力無負荷時)
アナログ出力 標準0〜5(1〜5,0〜3V仕様可)×2CH、出力インピーダンス=1kΩ
シリアルインタフェース RS-485 (N81XN,フロー制御無し,9600bps)
液晶表示 8文字×2行(気圧、水圧表示)
設定スイッチ 設定ボタン3個(内部ディップスイッチ4P)
寸法・重量 センサ部 外径13mm×長さ60mm×13g、ケーブル径6mm×55g/m
変換部 70×50×28mm×150g,
出力ケーブル長1m(茶:電源+,黒:GND,白:出力1,青:出力2)
▲Topへ  ▼末尾へ

■皆様から寄せられた課題

アナログ出力型のGSC-01Aについては、一通りの社内試験はクリアしました。実際の井戸に設置して1年間の耐久試験も行っております。

ただ、このセンサをご紹介する中で皆様から、次のようなご意見やご質問もいただいております。

1.センサが軽すぎて、ちゃんと下に下がらないのでは?

従来の水位計は大気圧補正用のチューブが入っているため、ケーブルが硬く、撚りがつきやすい性質がありました。丸まったケーブルを、よく解さないまま水中に入れると、水の中で水位計のケーブルがバネのように螺旋状にスパイラルを描きます。

このまま放っておくと、スパイラルが徐々に弛み、水位計の位置が次第に下に下がり、見かけ上、水位が上昇したように見えるケースがあります。

この水位計のケーブルは大気圧開放チューブが入っていないため、従来の水位計のケーブルに比べて軟らかく癖が付きにくいのですが、反面、先端が超軽量のため「軽すぎてケーブルがまっすぐ伸びないのではないか?」というご感想もあります。

水位計の挿入作業時は、ケーブルを一旦全部延ばし、撚りをとってから入れるのが基本ですが、軽すぎるという場合に備えて、簡単に装着できるウエイト(重り)をご用意することも検討中です。

観測井戸に水位計を挿入する前に、ケーブルを延ばし「ヨリ」をとる作業
観測井戸の水位計挿入前に、ケーブルを延ばし「ヨリ」をとる作業
2.冬の凍結で壊れないか?

投げ込み式水位計のもう一つの弱点は、凍結すると壊れる点です。先端の受重板(ダイアフラム)は薄い金属の板なので、指で押しただけで変形して壊れてしまいます。水位計先端のキャップの中で、水が凍り体積が膨張すると、受圧部が変形して元に戻らなくなります。

これまで紹介してきた小型水位センサは、先端の水の容積が小さく危険は少ないものの破損の可能性はあります。地下水は凍結しませんが、河川水の場合は北海道や本州の山間地だと凍ります。

流れる落ちる水が凍結した砂防堰堤(福島県、2月)-水位計の凍結対策の必要性
流れる落ちる水が凍結した砂防堰堤(福島県、2月)

凍結対策として、従来、寒冷地のノッチ水位計などで行っていた、水位計の感部の周囲に凍結しないオイルを封入する手法を考えています。こちらは凍結対策オプションとして製品化する予定です。

水位計の凍結対策で、周囲にオイルを充填した例(比重が軽いオイルが水面より上がっている)
水位計に凍結防止オイルを充填した例(比重が軽いオイルが水面より上がっている)
▲Topへ  ▼末尾へ

2.実績が無いので使えない!

新しいタイプの水位センサですので、長期実績はまだ1年で、こればかりは、どうしようもありません。今後、IoT向けの小型、低価格センサというメリットをご理解いただきながら、徐々に実績を積んでいく限りです。

ただ、基本的な電子回路の構成や、製作工程は、当社で既に実績のある傾斜センサなどの製品と類似していますので、耐久性や長期安定性は、それらの製品と同程度はあると予想しております。

また、わたくしどもは計測機器のメーカであると同時に、計器の設置・運用も行う工事会社でもあります。実際に水位計の設置工事やメンテナンス、他社の水位計のレンタルを行う社内ユーザのダイレクトな意見も拾いながら、このセンサの更なる改善と機能アップを進めていく予定です。

水位計をボーリング孔へ設置する作業状況。地下水位観測孔VP40
地下水位計を水位観測孔へ設置する作業

 
▲Topへ  ▼末尾へ

■価格

現在、アナログ出力型のGSC-01Aの量産試作が完了し、一部のお客様にサンプル出荷を行っている段階です。今後、2018年09月を目処に一般販売の予定です。

サンプル価格

 1, 10, 50,100m計 各98,000円(税別) センサ部と変換部含む。


測定範囲別の水位センサ部
測定範囲別の水位センサ部(1m,10m,50m,100m計)のイメージ
※標準ケーブル長−10m,30m,70m,130m付き
販売予定価格

2018年9月以降の通常製品の販売価格は以下予定です。

(ケーブル長は標準例です。ケーブル加算費用は200円/mで計算)

表:スマート水位コンバータGSC-01Aの予定価格   PDFカタログはこちらで
測定範囲
(標準ケーブル長)
センサ部 ケーブル加算 変換部 合計
(税別)
1m
(10m以内)
42,000円 2,000円 50,000円 94,000円
10m
(30m以内)
  〃 6,000円   〃98,000円
50m
(70m以内)
  〃 14,000円  〃106,000円
100m
(130m以内)
  〃 26,000円  〃118,000円

※仕様や価格は今後変更される可能性があります。

水位計の圧力センサ部
水位計の変換部(コンバータ)
水位計の50m計+ケーブル70m+変換器セット
水位計の圧力センサ部(1m計) 水位計の電圧変換部 50m計(ケーブル70m付き)セット

【参考】電圧変換部は単独で,大気圧センサしても使えます。
例:950〜1050hPaを0〜5000mV(分解能0.02hPa)又はRS-485で出力。2ch目は温度出力。

 
▲Topへ  ▼末尾へ

開発の進捗状況は随時アップしていきます
▲Topへ  ▼末尾へ

»次のページ:水位センサの 利用例(近日、追加予定)

1/2ページ

お問い合わせはこちらへ
サイト内検索


▲Topへ

Text by Geots.Sato
初回掲載:2018/01/31(水)