資料室に眠る,1963年=昭和38年1月豪雪−いわゆる38豪雪(三八豪雪,サンパチ豪雪,さんぱち豪雪)の画像をデジタル化しました。50年以上前の写真で、撮影者も既に退職しており、正確な撮影日時や場所は不明ですが、新潟県の長岡市内(最深積雪量318cm)で撮られたもののようです。
このサンパチ豪雪を契機に、当時の長岡市で試験的に導入されつつあった、消雪パイプが全国に普及しました。その後、ジオテクサービスでも「散水消雪ノズル」や「消雪パイプブロック」の販売を開始し現在に至ります。
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おそらく、雪が降り続いた昭和38年の1月24日以降、雪も落ち着いた2月上旬までの間に、長岡市の周辺で撮影された写真と思われます。
【市街地の積雪状況】長岡駅前の大通り。両側に雪が積まれ、真ん中をかろうじてバスが走る。 | 長岡市の新天街(長岡駅前の大手通2丁目〜坂之上町1丁目方向)の積雪。 | 雪の降りしきる市街地。通りの1階の雁木部分は完全に埋まり。 | 屋根の雪下ろしと道路除雪で積上げられた雪の壁。 |
雪の晴れ間の、高く積まれた雪の壁の上から通りを見下ろした状況です。 | 2階の屋根から下ろした雪で、玄関が下に。当時の除雪器具は、鉄製スコップと樋。 | 下の玄関から上の道路を見上げた状況。雪に階段が切ってあります。 | 玄関に掘られた雪のトンネル。上に一升マスで作った表札が埋め込んであります。 |
2階の窓が玄関になり、表札や郵便受け・国旗の小旗も移設してあります。 | 雪で窓が埋まり、昼でも電灯をつけていました。コタツの熱源は練炭です。 | 雪で埋まった鳥居の前で遊ぶ子供たちの写真です。奥に佇む犬の姿も見える。 | 写真の旗ざおの「征一位稲荷大明神」の場所は見つからず。 |
雪で詰まった下水の水をエンジンポンプで排水しているのではないか想像。 | 初期のころの消雪パイプでしょうか?ちなみに消雪パイプは昭和36年に長岡市で始まった。 | 上から水を撒くので、水温が下がり消えは悪いようです。現在の消雪パイプは路面に直接水を撒きます。 | 家から通りに出るために雪のトンネルが掘られた。 |
ネット上の38豪雪の自衛隊の記録は、僅かです。1月24日の信越線・上越線の全面運休の後、1月28日未明の上野行き列車の出発に、自衛隊が線路除雪に協力しています。 (⇒外部リンク:三八豪雪と急行越路-大寒と55年前の急行列車) また、陸上自衛隊航空科部隊は、昭和38年1月29日にヘリコプター隊が霞ヶ浦から出動、新潟・金沢・福井の3ケ所にH-19×1機づつ派遣されたとの記事があります。(⇒外部リンク:38豪雪ヘリコプター救助活動の記録)
【災害派遣】陸上自衛隊の災害派遣部隊が、雪上車を先頭にジープで長岡入り。三国峠越か、会津回りかは不明。 | 雪上車の横に「第7師団、災害派遣」の文字が見えます。他地域にも多数隊員が出動。 | 校庭に着陸した陸上自衛隊のH-19ヘリコプター。右端の国旗掲揚ポールに臨時の吹流しも。 | 上越線・信越線の列車も長期間立往生。線路の流雪溝に詰まった雪を自衛隊員が排除。 |
スコップを持って、雪掻き出動前の、陸上自衛隊員の皆さん。 | 除雪隊員への炊出し風景。白い割烹着と黒いサングラスが印象的。 | 自衛隊への、炊き出し風景をもう一枚。お握りと味噌汁が定番。 | 当時は雪で水路が埋まり洪水も発生したと聞く。水路を掘る自衛隊員か。 |
自衛隊の作業時の写真では雪も落ち着いているので、2月初旬の長岡市内と考えられます。
近年では、大雪の時の自衛隊の災害はめずらしくありませんが、それまでは「春になれば解ける雪」に災害救助法の適用はありませんでした。当時、大蔵大臣だった、新潟県選出の田中角栄が三八豪雪で初めて災害救助法を適用させたそうです。
38年当時、自衛隊が火炎放射器を使って、雪を消そうとしたが、炎の当たった部分だけ雪に穴が開き、効果が無かったという、話を聞いたことがあります。以前、そのような写真を見た記憶もありますが、残念ながら画像は見つかりませんでした。
三八豪雪に関係して、参考になる画像や関連リンクをまとめました。
雪が無いときの長岡駅前通りの風景です。(昭和34/06/05撮影-1959年)
雪が無いときの長岡駅前の大手通り。奥が長岡駅。分離帯にチューリップ花壇がある。 | 長岡駅前のロータリーと大通り。中央の銅像は、平和の森公園に移設された。 | 長岡駅前通りの拡大。最初の写真の反対側から見た写真。 | 長岡市内を流れる福島江。信濃川の水を引く灌漑用水ですが、冬は流雪溝の水に使われる。 |
長岡市中心部を流れる信濃川に架かる長生橋。1937年(昭和12年)完成から22年後の風景。(昭和34/04/20撮影-1959年)
長生橋の上を乗り合いバスが走っている。 | 長生橋の西詰(左岸側)。歩行者と車が混在。 | 現在ある下流側の歩道はまだ無い。 | バイクが真ん中を走っています。 |
下記は、このページをまとめる際に参考にした、外部リンクです。
⇒[PDF] 38豪雪災害の記録 | ながおか防災ホームページ