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 更新日:2023/08/03

熱電対変換器 GS-1209

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1.概要

低消費電力の高精度PT変換器

白金測温抵抗体(PT-100オーム)は高精度の温度測定できますが、 PTセンサー単体は汎用の電圧ロガーに接続できません。 この変換器はPT100Ω用の-30〜+70℃を0〜5Vの直流電圧に変換するインタフェースです。 電源電圧がDC10〜28Vと広く、消費電流がわずか4mAと少ない特徴があります。

簡易的な計測に「熱電対変換器」もあります

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2.特徴

小型で省電力の変換器

指先サイズの小型変換器です。制御盤や計測箱のスミにも納まります。 DC10〜28V駆動で、消費電流も4mA(平均3.6mA)と少ないので、屋外の電源の無いところでのソーラやバッテリによる観測に最適です。 また、電源電圧範囲が広いので、工業計測用の24V計装盤への組み込みも可能です。


標準DINレールに取り付け可能

付属のレール取り付け用のベース板をネジ止めすれば、35mmのDINレールに取り付けられるので、制御盤や計装盤への組み込みも容易です。 電流4mAの低消費電力で、温度測定に影響する機器の自己発熱の問題もありません。


市販のPT温度センサーに対応

適合センサーは、一般的なPT100Ωセンサー(JIS C1604-1997)が使用可能で、通常の動作温度範囲(-10〜50℃)において±0.3℃以内の誤差です。
注意:上記精度については、Pt100自体の誤差は除きます。


精度と誤差について

白金抵抗温度計(PT温度センサー)自体の許容差は、「測温抵抗体JIS C 1604-1997」にて、左の表のように規定されています。

当変換器の温度測定範囲-30〜70℃についての許容差は計算上以下のようになります。

  (1)A級:±0.29℃

  (2)B級:±0.65℃

ただし、これはワーストケースで通常の市販センサの誤差は経験的に±0.2℃以内です。


表:測温抵抗体JIS C1604-1997 の許容差(温度に対する誤差をあらわす)

クラス 許容差(℃)
A級 ±( 0.15 + 0.002 [t] )
B級 ±( 0.3 + 0.005 [t] )
[t]は温度の絶対値

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3.用途

電圧式センサと混在させて温度を計測

計測現場では、電圧で測定するセンサと一緒に温度計測が必要となる場合がありますが、
測温抵抗体の専用ロガーを用意するのは不経済です。
この変換器を使えば、0〜5Vや1〜5Vの汎用の電圧ロガーに熱電対を接続できます。

FOMA通信による2chの水温の遠隔計測機器 FOMA通信による2chの水温の遠隔計測機器

多チャンネルの温度を録りたい

小型で、消費電力が4mAと少ないので、組み込み時に問題になるスペースや消費電流や自己発熱による測定誤差の問題がありません。 温度センサの数に応じた増減も容易です。センサ独立なのでノイズトラブル等の問題が少ないメリットがあります。

熱電対変換器24個の盤組込み例 熱電対変換器24個の盤組込み例

省電力を生かしソーラ駆動の観測

12V電源が使え、消費電流は4mA以下。山間地や離島などの電源の無いところで、 太陽電池やバッテリーの電源で、気温や水温・地温を観測する用途にも適します。

太陽電池で動く気象観測システム 太陽電池で動く気象観測システム

計測システム例

インターネット利用の河川水位・水温・雨量のネットワーク計測システム例

遠隔計測システム例
遠隔計測システム例

電圧を温度に変換する換算係数

電圧ロガーで計測した、PT温度変換器の電圧を、温度に換算する計算式は以下の通りです。計測装置の電圧値の単位によってセンサー変換係数が変わります。

基本的な換算式
    温度(℃)=(計測電圧 - A)×B + C


変換係数一覧表    変換係数の詳細(説明書参照)

ロガーの測定レンジ 計測機器の例 換算係数
測定範囲 最小単位 代表的ロガー A B C
0〜5000mV 1mV 4CHロガーGTR-04G
24CHロガーGTR-24H
ネットワークロガーKW-1155 他
0 0.02 -30
0〜1000(5V) 5mV ネットワークロガーEX KW-1159
ネットワークロガーMX 他
0 0.1 -30
0〜5.00V V 各種テスターなど 0 20 -30
0〜4096mV mV 12ビット分解能の計測器など 0 0.02 -30
注意:係数Aは 0〜20mAや1〜5V出力のセンサーで、ゼロ点の1V分を差し引く時に使います。
1V=1000mVならA=1000です。 1V=200(5mV単位)なら、A=200です。

計算例 : ロガーの計測値が2550mVの場合
    温度(℃)= 電圧 × 0.02(℃/mV) - 30℃
                   = 2550mV × 0.02 - 30 = 21.0℃


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4.仕様

代表的な特性を示します。

項目 仕様
適合センサ PT 100Ω 3線式(JIS C 1604-1997)
測定電流 PT100Ω側に流れる電流=1mA (最大電圧5V)
測定範囲 -30℃〜+70℃
出力電圧 0〜5V
出力感度 50mV/1℃
精度(変換誤差) ±0.3℃以内 (動作温度範囲にて平均±0.2℃)
電源電圧 DC10〜28V(12V、24V電源に対応)
消費電流 4mA以下(PT100Ω接続状態で、平均3.6mA)
動作温度範囲 -10〜50℃(結露の無い事)
寸法 90×25×20.9mm(レール取り付け部品含まず)
重量 約70g

接続方法

詳しい接続方法は、仕様書/説明書、をご覧ください。

熱電対の接続
熱電対の接続

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5.使用上の注意点

Pt100Ωの3導線に対応

この変換器はPT100ΩのABBの3線式にに対応しています。500Ω、1000Ωには対応しません。2導線や4導線型も使用できますが、精度的にセンサ仕様を満足しない場合もあります。

2線式、4線式の詳しい接続方法の説明書


電線の延長について

PT100Ωと計測器の間が長くなると、温度の測定誤差が大きくなります。延長は概ね10Ω以下の電線をお使いください。


3導線の接続方法

線の色はJIS規格製品の場合「赤=A」です。温度が極端に低い値(マイナス値)を示す場合には、ABの逆接続が考えられます。テスター等で抵抗値をチェックしてください。→AB間は約100〜115Ωあります。BB間は短絡で数Ω以下です。

絶縁キャップ
PTの導線の接続方法
※4線式の場合Aの1本は接続しません。
※2線式は、Bを1本追加接続します。


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6.オプション

DINレール取付用ベース板(標準オプション、注文時指定)

標準の35mmDINレールに、ワンタッチで取り付けられるベース板をお付けいたします。注文時に「DINレール取付板」必要の旨ご指示ください。ベース板は、背面にネジ留めします。

DINレール取り付け用のベース板
DINレール取り付け用のベース板

温度・出力範囲の変更

標準品については、ゼロ点とスパンは出荷時に調整済で固定です。特殊仕様については、おおむねロット数50台以上で受注生産となります。

  (1)-30〜70℃で1〜5V出力

  (2)0〜100℃で0〜5V出力 など

ゼロとスパンの出荷時調整作業
ゼロとスパンの出荷時調整作業

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7.価格(消費税別)

GS-1210 調整
PT温度変換器 GS-1210 オプションや特殊仕様
 ¥48,000円  内容に応じて御見積り

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よくある質問




 
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Text by Geots.Sato
初回掲載:2008/07/25