お知らせ 製品の更新
1,2ゲージ用のひずみ増幅器STA-12Gは,旧120ΩゲージアンプLCA-124(製造終了)の改良品で,増幅倍率を1,000倍,2,000倍から800倍と1,600倍に変更。
⇒従来製品との互換性につてこの変更で,例えば800倍に設定した場合,歪み1μStarin(マイクロ・ストレイン)が,ちょうど1mVで電圧出力され換算が容易なりました。
倍率低下で増幅精度は下がりましたが,全体的に使いやい省電力ストレインアンプになりました。1ゲージは120Ω専用ですが、2ゲージは100〜1000Ωが使えます。
1,2ゲージ用の低コスト版として簡易ひずみアンプSTA-12Lも販売しています。
この装置は4ゲージ用STA-04Gの姉妹機で外観や基本性能はSTA-04Gと同じです。
特徴•倍率は200,400,800,1600倍選択
•800倍で1μStrain=1mVに増幅
•消費電流25mAと省電力(120Ωゲージ接続)
•ゼロ調整範囲±2mV(入力電圧換算)
用途
•建設現場の鋼材やコンクリートのひずみ計測
•屋外や実験室の小規模歪み計測。研究用,試験用,教育用,教材用
⇒STA-12Gのよくある質問
概要
ストレインゲージの微小ブリッジ電圧信号を200倍〜1600倍に増幅し±5Vの直流電圧に変換し、電圧ロガーに接続する信号増幅アンプです。
電源はDC9〜16Vで動作する省電力変換器です。消費電流は25mA(120Ωゲージ使用時)と少なく,野外のソーラやバッテリによる計測や,制御盤への組み込み、車載用に使えます。
特徴
手のひらサイズの小型変換器です。制御盤や接続箱のスミに納まります。発熱も少なく温度変化に強いので小型プルボックスに収納も可能。
ひずみゲージを貼り付けた鋼材やコンクリートの直近に設置し,増幅後の5V信号を送れば,高価なひずみゲージ専用延長ケーブルを使用せず,市販ケーブルで数100mの距離を安定して信号伝送できます。
オプションのレール取り付け用のベース板をネジ止めすれば,35mmのDINレールに取り付け制御盤や計装盤へコンパクトに収納できます。
小型で自己発熱も少ないので,ひずみ変換器の脇の接続ボックスへの組み込みも容易です。(注意:DINレールは付属しません)
←写真はLCA-4Gのものですが外観・寸法はSTA-12Gも同じです。屋外使用が前提の静ひずみアンプです。動作温度範囲も広く(-20〜50℃),温度ドリフトやノイズも少なく,土木・建築現場で使用できます。
ひずみセンサの脇のプルボックスに収納すれば、計測地点とロガーの距離が離れても長期に安定した計測ができます。
倍率800倍にすれば,ちょうど「1μStrain=1mV」の出力になり現地での換算も容易です。
市販120Ωゲージ | 1ゲージ3線式 |
1CHロガー接続 | アンプ10台接続 |
一般的な120Ωの「1ゲージ3線式」や「2ゲージ3線式ハーフブリッジ」に適合します。
注意:商用電源の50Hzノイズなどを防ぐためのローパスフィルターが入っていなため,動的な応答性は10Hz以下と低くなっています。ゆっくりとした変化を正確に測定する静ひずみアンプとしてお使いください。
←各種のひずみゲージとの接続例⇒4ゲージ用標準アンプSTA-04Gはこちらへ
⇒1,2ゲージ簡易アンプSTA-12Lはこちらへ
仕様
120Ωゲージ用ひずみ増幅器 STA-12Gの特性
STA-12Gの仕様 | |
---|---|
項目 | 仕様 |
適合センサ | 1ゲージ(120Ω3線式)と2ゲージ(120Ω)結線切替 1ゲージは120Ω専用,2ゲージは100〜1000Ω対応 |
センサ入力範囲 | 0.5〜10.0mV/V |
ブリッジ電圧 | 2.5V(定電圧駆動)×20mA |
増幅率(ゲイン) | 200,400,800,1600倍(側面ディップスイッチ切替) |
出力電圧範囲 | 約-5.1〜+6.5V(±0〜5V出力) |
ゼロ・スパン調整 | 上面トリマ調整 |
ゼロ調整範囲 | 入力電圧換算±2mV(800倍の場合出力換算で±1600mV) |
非直線性 | 0.1%/F.S.以内 |
温度変化の影響 | ±0.02%F.S./℃以内 |
応答速度 | 10Hz以下(静歪みアンプとしてご利用ください) |
電源電圧 | DC9〜16V(12V電源に対応) ※1最低動作電圧5V |
消費電流 | 20mA以下(120Ωゲージ接続時、出力無負荷時 ※2) |
動作温度範囲 | -10〜50℃。湿度20~80%(結露の無い事) |
寸法 | 40×81×22mm(本体の厚さ17mm) |
重量 | 約90g |
※1:電源電圧は5Vでも動作しますが、出力電圧が3Vで頭打ちになります。
詳細はひずみアンプの最低動作電圧をご覧ください。
※2:出力電圧が±5Vを越えるオーバースケール状態では消費電流が30mA程度に増加します。
ひずみゲージアンプSTA-12Gと,従来型LCA-124,LCA-4Gの特性比較
ひずみアンプSTA-12Gは,現場要望を取り入れ、使いやすくなっています。但し,増幅倍率やブリッジ電圧が異なるので,従来型のLCA-124やLCA-4Gと置き換える場合はご注意ください。
製品名 | LCA-124 | LCA-12G | STA-12G |
---|---|---|---|
比較項目 | |||
用途 | 120Ω×1,2ゲージ 350Ω×4ゲージ兼用 |
120Ω×1ゲージ3線式 120Ω×2ゲージ |
120Ω×1ゲージ3線式 120〜1000Ω×2ゲージ |
ブリッジ駆動電圧 | 2.5V定電圧駆動 | 2.5V定電圧駆動 | 2.5V定電圧駆動 |
ブリッジ駆動電流 | 8〜20mA | 20mA (短絡時100mA) |
20mA (短絡時100mA) |
入力レンジ | 0.5〜2mV/V | 0.5〜5mV/V | 0.5〜5mV/V |
出力電圧 | 0〜±5V | 0〜±5V | 0〜±5V |
増幅率(GAIN) | 200,400,1000,2000倍 | 200,400,1000,2000倍 | 200,400,800,1600倍 |
基本倍率と 電圧/歪みの関係 |
1000倍 1.25mV/1μStrain |
1000倍 1.25mV/1μStrain |
800倍 1mV/1μStrain |
電源電圧 | 10〜16V | 9〜16V | 9〜16V |
本体消費電流 | 18〜31mA | 12mA | 12mA |
120Ω接続時 消費電流 |
38mA | 20mA | 20mA |
外形寸法 | 50×80×22mm | 40×81×22mm | 40×81×22mm |
重量 | 120g | 90g | 90g |
取り付け方法 | ビス止め | ビス止め又はDINレール | ビス止め又はDINレール |
価格(税別) | ¥70,000円 | ¥56,000円 | ¥58,000円 |
在庫 | 販売終了 | 販売終了 | 納期未定 |
用途
計測現場では歪センサーと電圧・電流出力センサーが混在する場合があります。ひずみ専用ロガーを用意するのは不経済。そこで,この変換器を使えば,ひずみ値が0〜5Vや1〜5Vの汎用電圧ロガーで計測できます。
←防水ボックスへ電圧ロガーと組込 (写真はLCA-124です)ひずみセンサーから計測器まで,微弱なブリッジ電圧を長距離伝送すると,ノイズや温度変化の影響を受けます。この「ひずみインタフェース」は低費電流で自己発熱や電力伝送ロスが少ないので,センサー脇に設置し,細いケーブルで接続できます。
←計測地点の脇のケーブル接続箱に収納した例9〜16V電源が使え,消費電流も25mAと,一般の歪みゲージアンプより少な目です。山間地や工事現場などの商用電源の無いところで,太陽電池やバッテリーの電源で,ロードセルや間隙水圧計など観測する用途にも適します。
←山間地での変位計の観測計器ゲージとアンプの接続方法
ひずみゲージの接続パターンを示します。詳しい接続方法はSTA-12G説明書を参照。
ひずみ測定は、目的と想定対象に応じて、適切なブリッジ回路を組む必要があります。
図を拡大する※ひずみゲージ変換器のケーブルの色や極性はメーカによって異なります。上図は一例なので,メーカの仕様書を確認してください。
2線式の120Ωゲージの接続例
2線式120Ωゲージを2個組み合わせ、真ん中の線を1本にまとめれば、「2ゲージ3線式」となります。まとめた1本の線の抵抗は測定に影響しませんので、どのような線でもOKです。
同様に、2線式120Ωゲージを「1ゲージ3線式」に変更するには、B側に線を1本追加してください。1ゲージ3線式では、電線の電気抵抗の温度変化に影響されないように、AとB’側の2本の線は同じ規格にしてください
図を拡大するひずみゲージブリッジ回路の組み方
1ゲージのひずみブリッジ回路の組み方と、アンプの結線方法を、以下の図に示します。
このアンプは「1ゲージ3線式」が基本です。1ゲージ2線式の場合は、B'端子に線を1本追加してください。
ゲージとアンプの距離が数10cmとごく近い場合、アンプのB端子ととB'端子を、ハンダで短絡すればOKです。ひずみゲージのリード線が長い場合は、ゲージの根元に電線を1本足し、B端子に接続してください。B端子に接続する電線の電気抵抗、ひずみの測定値に影響しないので、細い電線でもOKです。
⇒図を拡大する ⇒図をPDFで開く※図の中でアンプがSTA-12LになっていますがSTA-12Gも結線は共通です。
※1ゲージ用に使う場合は、120Ωゲージ専用です。
2ゲージのひずみブリッジ回路の組み方と、アンプの結線方法を、以下の図に示します。
このアンプは「2ゲージ法の表裏配置と直交配置」に使用できます。また、別に温度補償用のダミーゲージを貼り付ける「1アクティブ+1ダミーゲージ」接続にも使えます。
但し、2つのゲージをブリッジの対角線上に配置する「対辺2ゲージ法」は使用できません。
ゲージを供試体の表裏に貼り付けて曲げ測定を行う場合、ひずみゲージアンプの出力は、実際のひずみの2倍になります。たとえば、STA-12Lの電圧出力は「2μストレイン=0.5mV」ですが、2ゲージ曲げ測定の場合は2倍の「1μストレイン=1mV」になります。
⇒図を拡大する ⇒図をPDFで開く※図の中でアンプがSTA-12LになっていますがSTA-12Gも結線は共通です。
※2ゲージ法で使う場合は60〜1000オームのゲージが使えます。⇒ゲージ抵抗の詳細はこちらへ
2ゲージ法のブリッジの組み方とひずみの出力倍率の関係。
1ゲージ法の場合は、アンプの出力は「1μストレイン=0.5mV」固定です。
2ゲージ法の場合は、ゲージの貼り付け方によって、アンプの出力電圧は変わります。
•表裏2枚で曲げひずみを測定: 倍率2倍。1μストレイン=1mV出力
•直交2枚で伸びひずみを測定: 倍率(1+ν)倍。鋼材1.3倍程度
ν(ニュー)ポアッソン比(鋼材0.28〜0.3、アルミ0.34など•1枚をダミーゲージに使用 : 倍率1倍。1μストレイン=0.5mV出力
なお、ひずみアンプSTA-12L,STA-12Gは「対辺2ゲージ法」は使用できません。
⇒図を拡大する ⇒図をPDFで開く上記のブリッジ回路の結線方法については、以下のページを参考にしています。
•鞄結梠ェ器研究所 [測定用ブリッジ回路の組み方と結線]
•葛、和電業 [ひずみゲージの結線法]
ひずみゲージと計測機器の接続例
使用上の注意点
このアンプは定電圧ブリッジ方式のため,電線が長くなると電線の電気抵抗のばらつきや抵抗の温度変化が計測誤差となります。
歪みゲージとアンプ間の距離は極力短くしてください。増幅後の電圧と電源を送る電線は細くても問題ありません。(例:FCPEV0.65mm×2P)
ゲージのリードせんと端子台の接触が悪いと、この分の接触抵抗が測定誤差になります。接触抵抗を減らすには,ゲージのリード線を一旦「マル端子」に半田付けし,それネジ固定するなどの方法もあります。
当アンプの「E」端子はシールド用ですので,通常はアース(大地への接地)には接続しないでください。
屋外計測では,地盤に密着するロードセルや土圧計,間隙水圧計などの埋設型センサと接続した場合,アースを「E」端子に接続すると,そこに落雷サージ電圧が逆流入しアンプやセンサを壊す場合があります。
※入出力は絶縁されていません。
オプション
標準の35mmDINレールに,ワンタッチで取り付けられるベース板が御用意できます。注文時に「DINレール取付板」必要の旨ご指示ください。ベース板は,背面にネジ留めします。
(別売オプション,注文時指定)
■出荷期設定は、増幅率800倍,0μ=0V出力,5000μ=5000mVで調整済みです。倍率はディップスイッチで変更できます。
ゼロ点は必要に応じてトリマーで調整してください。スパンはどうしても必要な時意外は変更しないでください。
ゼロ・スパン調整の回転部分は非常に繊細なので、必ず細い精密ドライバーで軽く回してください。太いドライバーを無理に調整穴に突っむと、回転部品が基盤から剥がれ故障します。
←ゼロ・スパン調整イメージ(ひずみ発生器使用)ひずみアンプの側面のディップスイッチで、増幅倍率を200倍,400倍,800倍,1600倍の4段段階に変えられます。800倍を選択すると、ひずみ1マイクストレインがちょうど電圧1mvで出力されます。
■静ひずみと・動ひずみ
このストレインアンプは静ひずみ計測用です。概ね10Hz以下の変化の少ない現象の測定に使用してください。
静ひずみ計測の詳細範囲は、⇒よくある質問FAQをご覧ください
価格
120オーム1、2ゲージ用ひずみ増幅器 STA-12Gの価格。 ⇒購入方法はFAQをご覧ください。
標準価格表 | |||
---|---|---|---|
品名 | 税別価格 | 備考 | |
歪みゲージアンプ STA-12G | ¥58,000 | 2023年度価格改定 | |
DINレール取り付け板 | ¥400 | 板のみ購入の場合は送料が別途必要です | |
送料(1回当たり) | ¥1,500 | 日本国内 |
※この製品は標準在庫品ですが、在庫切れで納期が2〜3箇月かかる場合もあります。 ⇒製品の在庫一覧
※評価のための製品貸し出しも、行っております。 ⇒お問い合わせはこちらへ
【関連製品】