お知らせ 低コスト簡易製品のご紹介
このアンプは標準120ΩゲージアンプSTA-12G の機能を絞り安価にしたした製品です。増幅率が1μストレイン=0.5mV固定で、歪みゼロで2.5V出力。-4000〜5000マイクロスストレインの変化を0.5V〜5Vの電圧に変換します。
簡易版ですが精度や安定性は上位のSTA-12Gと同等で,実用的な計測業務に使えます。
増幅率は低めでゼロ点調整もありませんが、出力電圧が0〜5V範囲に収まるため市販の0〜5Vロガーで計測できます。 端子が半田付けなのでリード線の接触抵抗の誤差も低減できます。
なお,フルブリッジの歪み変換器には4ゲージ用アンプSTA-04Gを御利用ください。
特徴•倍率は400倍固定で1μStrain=0.5mVに増幅。
•-4000μ=0.5V 0μ=2.5V 5000μ=5V出力(max9000μ=7V)
•9〜15V電源で消費電流25mAと省電力。
用途
•土木現場の鋼材やコンクリートのひずみ計測。
•屋外や実験室での小規模な歪み計測。研究用・教育・教材用。
⇒STA-12Lのよくある質問FAQはこちらです。
概要
ストレインゲージの微小電圧を400倍に増幅し0〜5V(max7V)の直流電圧に変換し、市販の電圧ロガーに接続する信号増幅アンプです。
電源はDC11〜15Vで動作する省電力変換器です。消費電流は20mA(120Ωゲージ使用時)と少なく,野外でゲージの近くへ組込み、ソーラバッテリでの運用もできます。
特徴
指先サイズの超小型変換器。省電力で発熱も少ないので小型プルボックスに収納したり、ゲージと一緒に防水樹脂コーティングも可能。
ひずみゲージを貼り付けた鋼材やコンクリートの直近に設置し,増幅後の5V信号を市販ケーブルで数100mの距離を安定して信号伝送でき、安価な電圧ロガーで計測できます。
現場の狭い場所での半田付け作業がしやすいように、出力側のリード線は後からナイロンコネクタで差し込んで接続できます。
ゲージのリード線は、端子パターンに直接半田づけしてください。端子パターンは両面にあります。表がA-C,裏がB-B'Dです
屋外使用が前提の静ひずみアンプです。動作温度範囲も広く(-20〜50℃),温度ドリフトやノイズも少なく,土木・建築現場で使用できます。
ひずみセンサの脇のプルボックスに収納すれば、計測地点とロガーの距離が離れても長期に安定した計測ができます。
倍率400倍固定で,ちょうど「2μStrain=1mV」の出力になり現地での換算も容易です。
市販120Ωゲージ | 1ゲージ3線式 |
1CHロガー接続 | アンプ10台接続 |
一般的な120Ωの「1ゲージ3線式」や「2ゲージ3線式ハーフブリッジ」に適合します。
注意:商用電源の50Hzノイズなどを防ぐためのローパスフィルターが入っていません。動的な応答性は10Hz以下です。ゆるやかな変化を正確に測定する静ひずみアンプとしてお使いください。
←画像はSTA-12G。機器構成はSTA-12Lも同じ。仕様
120Ωゲージ用ひずみ増幅器 STA-12Lの特性
STA-12Lの仕様 | |
---|---|
項目 | 仕様 |
適合センサ | 1ゲージ(120Ω3線式)と2ゲージ(120Ω)結線切替 1ゲージは120Ω専用,2ゲージは100〜1000Ω対応 |
センサ入力範囲 | -2.0〜+2.5mV/V(上限は-2.25〜+4.5mv/V) |
ブリッジ電圧 | 2.5V(定電圧駆動)×20mA |
増幅率(アンプゲイン) | 400倍固定(2μStrain=1mVに増幅されます) |
出力電圧範囲 |
-4000με= 500mV(下限は約-4500με= 250mV) 0με=2500mV ※1 +5000με=5000mV(上限は約+9000με=7000mV) |
ゼロ・スパン調整 | 無し(GAIN誤差±1%以内) |
非直線性 | 0.5%/F.S.以内 |
温度変化の影響 | ±0.05%F.S./℃以内 |
応答速度 | 10Hz以下(静歪みアンプとしてご利用ください) |
電源電圧 | DC9〜15V(12V電源に対応) |
消費電流 | 20mA以下(120Ωゲージ接続時、出力無負荷時) |
動作温度範囲 | -10〜50℃。湿度20~80%(結露の無い事) |
寸法 | 65×18×9mm(リード線の長さは700mm) |
重量 | 約10g(リード線含まず) |
簡易ひずみアンプSTA-12Lと,標準型ひずみアンプSTA-12Gの特性比較
STA-12Lは,標準1,2ゲージアンプSTA-12Gの機能を生かし、低価格と小型化を実現しました。但し,増幅倍率やブリッジ電圧が異なるので,STA-12Gと置き換える場合はご注意ください。
製品名 | LCA-12G | STA-12G |
---|---|---|
比較項目 | ||
用途 | 120Ω×1ゲージ3線式 120〜1000Ω×2ゲージ |
120Ω×1ゲージ3線式 120〜1000Ω×2ゲージ |
ブリッジ駆動電圧 | 2.5V定電圧駆動 | 2.5V定電圧駆動 |
ブリッジ駆動電流 | 20mA | 20mA (短絡時100mA) |
入力レンジ | -2.0〜+2.5mV/V (限界 -2.25〜+4.5mV/V) |
±0.5〜±5mV/V |
出力電圧 | +0.5〜+5V (限界 +0.25〜+7.0V) |
0〜±5V |
ひずみ測定可能範囲 | -4000〜+5000マイクロストレイン (限界 -5000〜+9000μStrain) |
標準800倍:±5000μStrain 下限1600倍:±2500μStrain 上限200倍 ±20000μStrain |
増幅率(GAIN) | 400倍固定 | 200,400,800,1600倍 |
基本倍率と 電圧/歪みの関係 |
400倍 2mV/1μStrain |
800倍 1mV/1μStrain |
電源電圧 | 11〜15V | 9〜16V |
本体消費電流 | 6mA | 12mA |
120Ω接続時消費電流 | 15mA | 20mA |
外形寸法 | 65×18×9mm | 40×81×22mm |
重量 | 10g | 90g |
取り付け方法 | 固定具無し | ビス止め又はDINレール |
価格(税別) | ¥14,000円 | ¥58,000円 |
在庫 | 標準在庫 | 標準在庫 |
用途
計測現場では歪センサーと電圧・電流出力センサーが混在する場合があります。ひずみ専用ロガーを用意するのは不経済。そこで,この変換器を使えば,ひずみ値が0〜5Vや1〜5Vの汎用の電圧ロガーで計測できます。
←画像拡大:防水ボックスへ電圧ロガーと組込 (写真はLCA-124)ひずみセンサーから計測器まで,微弱なブリッジ電圧を長距離伝送すると,ノイズや温度変化の影響を受けます。この「ひずみインタフェース」は低費電流で自己発熱や電力伝送ロスが少ないので,センサー脇に設置し,細いケーブルで接続できます。
←画像拡大:計測地点の脇のケーブル接続箱に収納9〜16V電源が使え,消費電流も25mAと,一般の歪みゲージアンプより少な目です。山間地や工事現場などの商用電源の無いところで,太陽電池やバッテリーの電源で,ロードセルや間隙水圧計など観測する用途にも適します。
←画像拡大:山間地での変位計の観測計器ゲージとアンプの接続方法
ひずみゲージアンプSTA-12Lはひずみゲージのリード線を銅箔端子に直接半田付けします。ネジ端子接続に比べ、接続部の接触抵抗が少ないので、ひずみゲージの抵抗変化を、より精度良く測定することができます。
また、ひずみゲージに付属のリード線が細くて、端子台に接続しにくい場合も、ハンダ接続なら確実に接続できます。
ひずみゲージの接続パターンを示します。詳しい接続方法はSTA-12L説明書を参照。
ひずみ測定は、目的と想定対象に応じて、適切なブリッジ回路を組む必要があります。
図を拡大する※ひずみゲージのケーブルの色や極性はメーカによって異なります。上図は一例なので,メーカの仕様書を確認してください。
2線式の120Ωゲージの接続例
2線式120Ωゲージを2個組み合わせ、真ん中の線を1本にまとめれば、「2ゲージ3線式」となります。まとめた1本の線の抵抗は測定に影響しませんので、どのような線でもOKです。
同様に、2線式120Ωゲージを「1ゲージ3線式」に変更するには、B側に線を1本追加します。1ゲージ3線式では、電線の電気抵抗の温度変化に影響されないように、AとB’側の2本の線は同じ規格にしてください。
図を拡大するひずみゲージブリッジ回路の組み方
1ゲージのひずみブリッジ回路の組み方と、アンプの結線方法を、以下の図に示します。
このアンプは「1ゲージ3線式」が基本です。1ゲージ2線式の場合は、B'端子に線を1本追加してください。
ゲージとアンプの距離が数10cmとごく近い場合、アンプのB端子ととB'端子を、ハンダで短絡すればOKです。ひずみゲージのリード線が長い場合は、ゲージの根元に電線を1本足し、B端子に接続してください。B端子に接続する電線の電気抵抗、ひずみの測定値に影響しないので、細い電線でもOKです。
⇒図を拡大する ⇒図をPDFで開く※1ゲージ用に使う場合は、120Ωゲージ専用です。
2ゲージのひずみブリッジ回路の組み方と、アンプの結線方法を、以下の図に示します。
このアンプは「2ゲージ法の表裏配置と直交配置」に使用できます。また、別に温度補償用のダミーゲージを貼り付ける「1アクティブ+1ダミーゲージ」接続にも使えます。
但し、2つのゲージをブリッジの対角線上に配置する「対辺2ゲージ法」は使用できません。
ゲージを供試体の表裏に貼り付けて曲げ測定を行う場合、ひずみゲージアンプの出力は、実際のひずみの2倍になります。たとえば、STA-12Lの電圧出力は「2μストレイン=0.5mV」ですが、2ゲージ曲げ測定の場合は2倍の「1μストレイン=1mV」になります。
⇒図を拡大する ⇒図をPDFで開く※2ゲージ法で使う場合は60〜1000オームのゲージが使えます。⇒ゲージ抵抗の詳細はこちらへ
2ゲージ法のブリッジの組み方とひずみの出力倍率の関係。
1ゲージ法の場合は、アンプの出力は「1μストレイン=0.5mV」固定です。
2ゲージ法の場合は、ゲージの貼り付け方によって、アンプの出力電圧は変わります。
•表裏2枚で曲げひずみを測定: 倍率2倍。1μストレイン=1mV出力
•直交2枚で伸びひずみを測定: 倍率(1+ν)倍。鋼材1.3倍程度
ν(ニュー)ポアッソン比(鋼材0.28〜0.3、アルミ0.34など•1枚をダミーゲージに使用 : 倍率1倍。1μストレイン=0.5mV出力
なお、ひずみアンプSTA-12L,STA-12Gは「対辺2ゲージ法」は使用できません。
⇒図を拡大する ⇒図をPDFで開く上記のブリッジ回路の結線方法については、以下のページを参考にしています。
•鞄結梠ェ器研究所 [測定用ブリッジ回路の組み方と結線]
•葛、和電業 [ひずみゲージの結線法]
ひずみゲージと計測機器の接続例
うまく動かない場合の対応
危険な誤接続
この、歪アンプは、計測現場での使用を想定して、多少の配線の接続ミスで壊れないようには設計されいます。しかし、下図に示すように、電流制限の無い、バッテリや電池を「黒:電源マイナス」と「緑:信号マイナス」に接続すると、アンプの内部を通って無制限に電流が流れ、電線か基板のどちらかが焼き切れます。
このショートした状況では「バッチという音」や「煙、焦げ臭い匂い」が発生します。元々簡易アンプのため、このパターンの接続ミスによる損傷は避けられませんので、ご注意ください。
予防対策としては、電源ラインのプラス側に、ヒューズやブレーカを入れたり、電源に過負荷防止機能(電流制限機能)がある物を用いる、など電源側の対策が必要です。
図を拡大する PDFで開く使用上の注意点
このアンプは定電圧ブリッジ方式のため,ゲージのリード線が長くなると電気抵抗のばらつきや抵抗温度変化が計測誤差となります。ゲージとアンプ間の距離は極力短くしてください。増幅後の電圧と電源を送る電線は細くても問題ありません。(例:FCPEV0.65mm×2P)
■ゲージの端子台への接続ゲージのリード線と入力端子パターンの半田不良(通称:いもハンダ)があると、接触抵抗が測定誤差になります。
■静ひずみと・動ひずみこのストレインアンプは静ひずみ計測用で、概ね10Hz以下の動きに応答します
■入出力絶縁について入出力は絶縁されていません。非絶縁アンプです
※上記についての詳しい説明は⇒よくある質問FAQをご覧ください
価格
120オーム1、2ゲージ用簡易ひずみ増幅器 STA-12Lの価格。 ⇒購入方法はFAQをご覧ください。
標準価格表 | |||
---|---|---|---|
品名 | 税抜き価格 | 備考 | |
歪みゲージアンプ STA-12L | ¥14,000 | 2023年度価格改定 | |
送料(1〜4個当たり) | ¥1,500 | 5個以上まとめて注文時は送料無料。 |
※この製品は標準在庫品ですが、在庫切れで納期が2〜3箇月かかる場合もあります。 ⇒製品の在庫一覧
※評価のための製品貸し出しは、行っていません。
【関連製品】