沈下板・沈下棒の問い合わせ先
阿賀野Lab(あがのラボ)TEL:0250-47-4142/FAX:0250-47-4143 見積依頼書はこちら |
沈下板は盛土や埋め立ての際に、事前に現地盤の上に設置します。板の上には鉄の棒が取り付けられ、これを盛土の上まで伸ばします。
沈下板の上に土を盛ると、土の荷重で元の地盤が押し下げられ、接続された鉄のロッドの頭も下がります。この棒の頭の下がりをレベル測量し、盛土後にどれだけ地盤が沈み込んだか評価します。
盛土や埋め立ては。一定の逆さに土を積み上げる工事ですが、地盤の沈みこみがあるため、必ず、見かけの盛土高より多くの土が盛られます。沈下板を設置すれば、基礎地盤の沈下を含め、実際に盛られた土量がわかります。
また、あまり急速に土を盛ると、元の地盤に圧力が掛かりすぎて、地盤が横にはみ出してくる”地盤破壊”を起こす場合があります。盛土工事中に、沈下量を測定することで適切な盛土の施工管理ができます。 埋め立て完了後も地盤はゆっくり沈下します。施工完了後、どこで沈下が収束するかの経過観測にも用いられます。
沈下板は元地盤と一体化し、変形や屈曲せず沈降することが求められます。面積が小さすぎると,上からの土圧で地面に食い込み、沈下量が実際より大きくなったり、ロッドが傾きます。逆に重すぎると、自重で沈下する問題も生じます。
ジオテク製の沈下板は、必要最小限、最適なの大きさで作られています。
地盤工学会基準の「JGS 1712 沈下板を用いた地表面沈下量測定方法」では、沈下板の構造を「鋼板は、原則として厚さ9mm以上および一辺が400mm以上の正方形のもの」。測定用ロッドは「直径12mm以上,ロッド長1000±1mmの鋼棒」と規定しています。
この製品は地盤工学会基準に準拠しています。沈下板にはナットが溶接され、計測用ロッドを、ねじ込み接続します。左の写真は沈下板にロッドを1本接続した状態です。補強板はオプションで、写真には未装着です。
沈下板は「沈下版」や「沈下盤」「沈下坂」と書かれることもありますが、誤字です。 沈下板は「地表面型沈下計」や単に「沈下計」と呼ばれることもあります。
同じような名前で「地盤沈下計」もあります。こちらは、地下にある自然の基盤層に対する、地表面の沈下量を測るものです。この地中の地盤沈下を複数段で同時計測する装置は、多段式沈下計や挿入式沈下計と呼ばれています。
沈下板のサイズは、仕様書や現場の施工管理基準で「600×600×9mm」、測定用ロッドは「φ19〜22mm」と指示される例もあります。この600mm規格は重量が3倍に増加します。
当社標準品の400mm角のロッド径12mm沈下板は、ヘドロや腐植土以外の通常地盤で問題なく使用でき、かつ鉄資源やCO2排出量の削減も考慮した製品です。
沈下板は、ベース板(鋼板)と測定ロッド(鋼棒)が、分かれた状態で発送されます。
現地での組み立ては、ベースとなる沈下板に、測定用ロッドをねじ込みます。ロッドの継ぎ足しは、1mごとにナットで接続します。ロッドには1本ごとに、高ナットが付属しています。
沈下板を据付 | ロッドをねじ込み | ロッド継ぎ足し | ロッド接続完了 |
軟弱地盤の道路や堤防の盛土の沈下量の動態観測に適します。測定ロッドが周囲の盛土の影響で変形したり、座屈するのを防ぐため、周囲との土との摩擦を低減(フリクションカット)するための保護パイプが必要です。
測定ロッドを継ぎ足すごとに、保護管も一緒に上に伸ばしていくので、接続が容易な塩ビ管が用いられます。管の口径は、測定用ロッドの接続部の最大外形21mmの2倍を目安に、50mm以上の塩ビ管をお客様でご用意ください。
現場では余裕を見て,太目の65Aや75A(〜最大100A)の管が使われることが多いようです。
ボックスカルバーや地下ピットなど、地中構造物の沈下量測定にも使えます。
ガス管や油送管、下水管など管路の沈下量測定用「沈下棒」はこちらのページをご覧ください
設置位置の現地盤を乱さない程度に均します。草などが生えている場合は刈り取り、大きな石がある場合は取り除きます。用意した沈下板にロッドを1〜2本ねじ込み、必要に応じて根元に補強板を溶接します。
元地盤が不均一の場合は、砂を敷き均し、その上に沈下板を水平に設置します。
沈下板のロッドに、保護用の塩ビ管をかぶせます。塩ビ管の下部は、上の地盤が下がってきたとき塩ビ管が直接沈下板を押さないように、20〜30cm高めの位置に取り付けます。
このままでは、沈下板も保護管も不安定で動いてしまうので、沈下板の根元に砂などを盛り、動かないように抑えます。これで、沈下板の第一段のベースの設置は完了です。
地盤工学会の基準では「盛土の圧縮によって保護パイプが沈下板を押し下げないよう,保護パイプと鋼板の間には、盛土の圧縮量に見合った余裕(盛土高10mに対して500mm 以上)を見込むのが良い」旨の記述があります。
【参考】
•上記の目安だと保護管の下端高は、盛土高の5%相当です。機械的に計算すると、盛土高1mで5cm、20mで100cmのような極端な数字になります。保護管の径の指定は特にありません。
400サイズの沈下板のロッドの接合部の最大径は22mmあります。40mmの塩ビ管でも通りますが、50mm以上がスムーズです。実際の現場では余裕を見て,太目のVU65Aや75Aも使われます。
塩ビ管の肉厚は2種類(VU:薄肉管、VP:厚肉管)あります。埋設深度が浅い場合は、薄肉VU管で問題ありません。深い場合は、厚肉のVP管も使われます。但し、継ぎ手は出っ張りの少ない「VU(薄肉)ソケット」が用いられます。
保護管の口径は、施工後(長期計測、砂で埋め戻し)も考慮し、適切なサイズをお選びください。
保護管とロッドのクリアランス(保護管はVU50AまたはVP50A以上が望ましい)VP50A塩ビ管と 12mmロッドの隙間 |
VP50A塩ビ管と 12mm高ナットの隙間 |
VU65A塩ビ管と 19mmロッドの隙間 (長期計測用VU65Aキャップ付) |
沈下板のロッドの頭は、次のロッドをネジで繋いだり、レベル測量のスタッフを立てたりします。これらの作業がし易いように、保護管の長さは、ロッドが少し上に出るか、ぎりぎり中に入っているくらいの長さに調整します。
ロッドのネジが錆びたり、つぶれると、次のロットの継ぎ足しに手間が掛かるので、ビニールテープなどを巻いておくことをお勧めします
ロッドの頭が上に出た例(VU65A) | ロッドの先端が中に入った例(VU100A) | ロッドのネジ部分の保護テープ(VP100A) |
盛土が立ち上がりに合わせて、沈下板のロッドもネジで継ぎ足し、同時に保護管もソケットで繋いで上に延ばしていきます。
•沈下板は一辺400m×厚さ9mmの鉄板で、中心に鋼棒をねじ込むナットが溶接されています。
•測定用ロッドは、両端にネジを切った直径12mm×長さ1mの鋼棒です。
•カップラーは、測定ロッドを繋ぐ、メスネジのナットです。
•補強板は、沈下板の根元に溶接する補強用の三角鉄板です。
(補強板は沈下板の構造上、必須ではなく、取付指定がある場合のオプション品です)
製品 | 外観 | 仕様 |
---|---|---|
沈下板 GI-SP400 |
材料:鋼板 寸法:400×400mm,t=9mm, ナット分25mm突起 重量 10.9kg |
|
測定用ロッド GI-SR12 |
材料 鋼棒 寸法 φ12mm、L=1000±1mm 両端35mm雄ネジ加工 重量 0.95kg |
|
カップラー (ロッドに1個付属) |
材料 鋼製 高ナット 寸法 M12 L=50mm (短径19.3、長径21.7mm) 重量 約70g |
|
補強板 GI-SA100 (オプション) |
材料 鋼板 寸法 三角形100×100mm t=6mm 重量 4枚組 1枚当り110g |
補強板なし PDF図面 DXF図面ダウンロード ZRD図面ダウンロード
補強板あり PDF図面 DXF図面ダウンロード ZRD図面ダウンロード
沈下板とロッドの接続部の強度が必要な場合、補強板(別売)をお使いください。沈下板の組み立て後に、現地で補強板の溶接加工をお願いします。
補強板は、別名「サポート」とも呼ばれ、沈下板とロッドの接合部の強度を上げるものです。
沈下板は,盛土の側方流動によって横方向の力を受け曲がる場合があります。補強板はロッドの付け根の強度を上げるためにつけますが、実際は、補強板があっても、力が加わると、ロッドは補強板の上で曲がります。
逆に、補強板が無しでもロッドの根元は破断せずロッドが曲ります。補強板の効果はロッドの変形箇所を上にずらすだけなので、当社では補強板オプションを積極的にはお勧めはしておりません。
(地盤工学会基準 JGS 1712においては「補強板」の構造は明示されておらず、「沈下板の例」の図中に例として示されています。)
土圧で曲がった沈下板ロッド | 真っすぐな状態の沈下板ロッド | ロッドに力を加えて曲げる | ロッドの曲がり箇所(ネジ部は破損せず) |
沈下板のサイズは、400mm(ロッド径12mm)と、600mm(ロッド径19mm)の2種類です。
参考:以前は特注サイズも製造していましたが、現在は上記の2つに集約されました。
【参考】当社の例では沈下板の大型600mmと小型400mmの出荷比率は「6対4」ほどです。
また、オプションの補強板をつけるケースは全体の1割以下です。
沈下板 400mm角×1枚 GI-SP400 |
測定用ロッド φ12mm×1本 GI-SR12 カップラー1個付属 |
補強板 400mm角用 GI-SA100 4枚一組 |
¥15,500円 | ¥3,400円 | ¥5,400円 |
※上記単価は、鋼材価格の変動によって変る場合があります。
 送料は別に、実費見積します。
沈下板は鉄製品で重量があるため、運賃が掛かります。少量の場合や、特にお急ぎの場合は、宅急便で送りますが、それ以外は一般貨物便でお送りします。
実際の送料は、数量や納期を考慮し、割安な方法でお見積りいたします。下の送料一覧表は、少量を宅急便で送った時の大まかな目安です。(税別金額/2020年)
品名 | 沈下板 一辺400mm | ロッド 径12mm | ||
---|---|---|---|---|
数量 | 1枚 | 2枚 | 5本 | 10本 |
重量 | 11s | 22s | 5s | 10s |
北海道 | ¥2,100 | ¥2,300 | ¥2,100 | ¥2,100 |
本州(平均) | ¥1,800 | ¥2,000 | ¥1,800 | ¥1,800 |
四国 | ¥2,000 | ¥2,200 | ¥2,000 | ¥2,000 |
九州 | ¥2,100 | ¥2,300 | ¥2,100 | ¥2,100 |
沖縄 | ¥2,900 | ¥3,900 | ¥2,900 | ¥2,900 |
沈下板は、板1枚、ロッド1本からお届けします。少量の場合は、沈下板と測定用ロッドを簡易梱包し、宅急便で送ります。数量がまとまる場合は、送料が割安な一般貨物便で発送します。
荷姿のイメージ
沈下板400mm角×9mm厚×2枚 ロッドφ12mm×長さ1m×8本 |
沈下板400mm角×9mm厚×4枚 ロッドφ12mm×長さ1m×20本 |
まず、お見積りをいたします。下記の見積依頼書をダウンロードし、数量、連絡先・必要数をご記入の上、FAX等でご送付下さい。
送料も含めた販売金額と、概略納期を返信いたします。
沈下板の発送は日本全国対応しています。送料は地域ごとに異なりますので、個別にお見積りいたします。 ⇒ 沈下板の販売地域の例
沈下板を迅速にお届けするため、標準サイズは、一定数の在庫を持ちます。
但し、在庫切れで納品に1〜2週間掛かる場合もあります。納期は見積り時に提示します。
1/2ページ
こんなページも見られています
会社案内 | 技術トップへ | ジオテク製品 | 地盤沈下計 |