アクセスが多いページが、イコール優れたコンテンツではありませんが、全体のアクセス数は、そのサイトが世の中に必用な情報、サービスを提供しているかどうかの、一つの目安になります。
サイトに訪れる人々の、興味や関心・目的は、それぞれ異なりますが、閲覧数の合計は、サイトの社会的な存在意義を客観的に表す指標になるはずです。
ここは、一民間企業の商用目的のホームページですが、世界のデジタル情報のプールに、一滴一滴、わずかながらも新たな知識と経験を注いでいます。その、ささやかな歴史と変遷をまとめてみました。
このサイトは1999年に公開されました。その後、Webデザインの流行や、会社の業務内容の変化に応じ、20年以上渡り更新を繰り返し現在に至ります。
下記は、22年間の月別のアクセス人数とアクセスページ数、一人当たりの平均ページビュー数を表したグラフです。直近では2021年1月に月間閲覧人数が過去最高の3,145人を記録し、その後2500〜3000人代で推移しています。
全体は、大きく4つのフェーズに分けられます
1期:外注で作った最初のホームページ。※この22年間の時系列グラフはWebモニタリングソフトで作成しています。
※グラフは定期的に更新します。
このホームページは1999年に最初にアップされ、その後、20年以上にわたって、少しづつ改修が加えられてきました。
ホームページの情報の厚みと鮮度は、アクセス数に直結します。新しい情報の掲載に勤めていますが、作業が滞るとアクセス数は下がり、大幅更新で盛り返す動きを繰り返します。
以下、その変遷を振り返ります
最初のホームページは、1999年に広告宣伝会社に外注して作りました。基調の色は青。
1999年当時の日本のインタネット普及率は21%。前年1998年にWindows98が発売され、ようやくADSLが登場したころです。当社のホームページは業界内では公開時期も早く、競合するサイトも少なかったため、アクセスは順調に増えました。
中には現場の写真や図表を多く掲載。当時としては、詳細な技術情報も盛り込んだビジュアルなサイトだったため、ホームページ経由での新規の問い合わせも多くありました。
しかし、外注で一気に作ったページだったため、その後の日々の更新が行われず、他のサイトが増えるにしたがって、目新しさも薄れ、アクセス数は徐々に少なくなりました。
製作から9年、インターネットの普及率も7割を越えるなか、当社のページも古くなりました。2008年5月には、月間のユーザ数が過去最低の11人まで落ち、もはやホームページの体をなさなくなりました
会社の業績も下降傾向にあったため、2008年6月にホームページの全面改訂に踏み切りました。製作は社長自らが担当。ホームページ作成ソフトの、ホームページビルダーを使い、コツコツと半年ほど掛けて、手作りしました。
画面の基調色は若葉の緑。今までの図や写真を多く用いるスタイルは踏襲。会社の一般的な業務紹介に加えて、個々の製品、技術・サービスのより深い専門的な内容を記載しました。
当時の日本は,まだGoogleは少数派。Yohoo検索が主流です。検索ヒット率を高めるため、テキスト文章で、簡潔に多くの専門情報を伝える、アナログ的なベタなSEO対策(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)を重視しました。
以後、ホームページの追加を重ねるにつれ、閲覧人数は急速に増え、1年後には、1日100人規模になり,2010年3月には、月間アクセス人数も最高の2774人となりました。
アクセス数に比例して、ホームページ経由での問合せも増加。この流れは2年ほど続きました。
大幅改訂から2年後、業務量が増えて、ホームページの更新をおろそかにしていたら、3年目にユーザ数は急速に減り、半減しました。
きっかけは、yahooサイドの検索エンジンの何がしかの変更と考えれましたが,その後も、閲覧者は完全に戻らず。3年目には「沈下板」や「電気検層」の定番ページのアクセス数が下支えし、1日70人程度に持ち直しましたが、全体的には低めに推移しました。
最初のリニューアルから4年後の2012年。「ホームページビルダーによる手作りホームページでは、特定の人しかページが作れない」ということで、ホームページを「社員が誰でもメンテナンスが出来るワードプレス版」に移行することになりました。
まずは、ソフト会社に外注し、既存のページ内容を、そっくりワードプレス版に、置き換えてもらいました。こちらは赤を基調としたイメージです。この更新で、サイトの見た目はかなり良くなりました。
一方、従来の手作り版ページは、一般的な会社案内や業務案内は削り、専門家向けの技術ページとして残しました。これにより、「一般向け企業紹介ページ」と、「技術者向け専門ページ」が共存する形になりました。
【同じ内容のWebページ比較−38豪雪の記録写真】一般ページ:ワードプレス版 | 技術ページ:html直打ち作成 |
社員が誰でもWeb画面から簡単にホームページが作成できるはずの、ワードプレス版ホームページでしたが、実際の更新は、販売金額や消費税率の変更など、必用に迫られた部分だけでした。
やはりWebページの作成には、それなりにセンスと知識と情熱が必要で、「社員が皆でWebページを作る」という理想は実現しませんでした。
ページ更新が1年以上止まる中、ページビューの数は、月を追うごとに低下。一方、会社の業績は比較的堅調だったため、ホームページの更新は後回しになり、アクセス数減少は、さらに2年間続きます。
一方の「技術ページ」は、相変わらず、「HTMLテキスト入力」で作られていましたが、ワードプレス版に習いCSSを導入しました。基調色はグレーと青。スタールシートの利用で、見た目のデザインはスッキリしました。
この改善で「技術ページ」のアクセス数は3割ほど回復。しかし、カバーする範囲が専門技術者向けなので、「一般ページ」と合わせた、会社全体のアクセス数を向上させるまでには至りませんでした。
「一般ページ」のリニュールが求められる中、その前準備でワードプレスの最新版アップデートを実行。これにより、新しいワードプレスのSEO対策が効果を発揮したのか、ワードプレス版の「一般ページ」にアクセスが集中。従来の「技術ページ」の閲覧数が過去最低に落ち込ました。この影響で、実際の製品販売も低迷する結果になりました。
一方、ワードプレス版「一般ページ」の中身の更新が進まなかったため、応急対策で2018年5月に「技術ページ」を会社の代表URLに格上げし、ワードプレス版「一般ページ」をサブの階層を下げました。
この主従入れ替えで「技術ページ」のアクセスは一時的に回復。「一般ページ」は横ばいで、全体のアクセス数は増加。受注・販売の業績も持ち直しました。
しかし、「のど元過ぎれば何とやら」で、その後の2年間は再び、技術ページ、一般ページとも更新が止まり、2018年から2018年にかけてアクセス数は再び減少に転じました。
2年間のページ更新の停滞と、新型コロナウイルスの影響で、2020年のアクセスユーザ数はさらに減少。
重い腰を上げ、2020年5月から「技術ページ」の全面リニューアルを開始。技術系社員が3人で2ヶ月で、新たに30ページを追加。
途中、2020年5月30日には、8年間運用した、ワードプレス版「一般ページ」を配信停止。ホームページを「html直打の技術ページ」に一本化しました。
今回の更新では、Web画面のスマホ対応も重視。新規30ページと、既存30ページは、文字の大きさや画像サイズを調整し「モバイルユーザビリティ」を高め、全体の半分を「モバイルフレンドリー≒スマホ対応OK」にしました。
パソコン画面とスマホ画面に対応した「レスポンシブ・デザイン」は、一般的なスタイルシートのメディアクエリ@mediaで実現しています。
ちなみに2021年現在、全アクセスの約3割が、スマホやタブレット経由です。
【モバイル対応率(2021年1月現在)】パソコン用ページ | スマホ用ページ |
この結果、3ヵ月後の2020年7月には、月間アクセス人数が過去最高の2820人/月を達成し、コロナの収束もあり、Web経由の問い合わせも回復してきました。
しかし、その後の新規ページの追加が無かったため、月間閲覧人数は年末まで2,500人前後で横ばいでした。
閲覧人数の横ばいの状態を打破するため、年初めから地道なページの追加や更新に着手。
新商品のKVSストレーナも、別に専用サイトを構築。その際、KVSの販売担当者がWebデザインの経験が無いため、とりあえずワードプレスを使い製作しました。
これらの対策の効果はすぐ出ませんでしたが、2021年1月2日〜13日にかけて、2週間、北陸地方が大雪となりました。 この影響で、当社の「38豪雪の記録写真」のページのアクセスが急増。延べ1000人ほどが閲覧。これが一気にアクセス数を押し上げ、2010年1月以来11年ぶりに月間の閲覧人数最高値3,145人をマークしました。その後は2,500人から3,000人の間を上下しています。
この38豪雪の記録は、会社の営業に直接関係ありませんが、多少の社会貢献になっています。今後は、現在の長岡市の状況写真も追加して、モバイルフレンドリーなページに更新する予定です。
ジオテクサービスの営業スタイルは、選任営業マンを置かずに、インターネットで世の中に広く広報する、いわゆる「Webマーケティング」を行う企業です。
主に、企業向けの専門分野の製品やサービスを取り扱うため、顧客はかなり限定されます。世界中に点在する少数のユーザに「広く深く情報提供」するためにインターネットは欠かせません。
次の図は、Webページを見た人の中で、実際に何人がコンタクトを取ってくるかを大まかに表現した図です。
当社のサイトは、毎月平均3,000が閲覧しますが、大半は1画面だけ見て、すぐに検索に戻るいわゆる「一見のお客様」です。その中でも10人に1人くらいは、内容に興味をもっていただき、複数ページを見たり、再訪問されます。 ここから、さらに電話やメールで問い合わせに進む方は10人に1人。平均すると100人に一人から、1日1件の新規問い合わせが来る計算です。
取り扱い製品がマニアックな専門商品であるのと、あらかじめホームページ上に、詳細な技術情報と金額を明示しているため、問い合わせがきた段階で、9割方はお取引が成立します。
大学や研究所向けの用途や、単発的な工事現場向け納品ですと、1回のお取引で終わるケースが多く、その後も継続的な取引が続くの人の割合は、さらに10分の1に減ります。最終的にWebページを検索した人の1000人に一人と、お付き合いが続きます。
ワンステップ進むごとに10分の1に減り、最終的に1000分の1に絞り込まれる僅かな営業成果。これは足で稼ぐ営業では到底捕捉できません。「広く、深く情報提供できるインターネット」が、我々の専門業種には必須です。
数多のネット情報の中でマッチングした、千人に一人のお客様。この、ネットを通じたご縁は、大切にしなければなりません。
以上、ページのアクセス人数は、情報の追加量に素直に比例します。古いままで更新しないと閲覧者は徐々に減ります。
次のグラフは、最近のHPの改定とアクセス数の変遷、さらに、企業活動の指標の一つとして「社員数」の変化をグラフに表した物です。
ホームページの更新頻度が落ちると、アクセス数は徐々に低下します。逆に企業活動が活発になり、ホームページの更新も進めばアクセス数は増加します。このようにHPのアクセス数は、企業活動の活性化の一つの指標にもなります。
※この7年間の時系列グラフはWebモニタリングソフトで作成しています。
上のアクセス数の増減グラフを見ると、ホームページの効果の持続期間は、
ホームページの鮮度=賞味期限は2年、4年で「消費期限切れ」です。当社は、変化の遅い建設業界に属しますので、賞味期限は長めですがが、よりテンポの速い業界だと賞味期限は、さらに短いはずです。
一方で、根幹となる技術は、年月を経ても、それほど変わりません。昔の先人の知恵をWeb上に記録しつつ、常に新しい情報、知見を追加していくことが必要です。
2021年1月現在、公開ページ数は約320ページで、そのうち約半分はPDF資料です。とりあえず、販売製品については概ね網羅しました。
次は「物から事の流れ」で建設工事やサービス、ソフトなど無形の「事」、「人手による業務」の紹介ページを増強します。ジオテクサービスの事業の2/3はサービス業です。
現在、閲覧に使われるディバイスは、約70%がPCで、残り30%がスマホ、タブレットです。pdfを除いた全150ページ中、スマホに適した「モバイルユーザビリティ」の高いページはまだ70ページと少なめです。 これがモバイル端末からのアクセスが少ない原因でもあるので、サイト全体のモバイル対応を進めます。
ユーザ人数は順調に増えていますが、 1人が1セッションで開くページ数は、2.8ページ付近で推移しています。これは、4年前の2016年当時の2ページより改善しましたが、8年前の2012年ころの3.5ページに比べると、見劣りします。
掲載ページ数が増えたのに比例して、ページ閲覧数は増えましたが、まだ中身の薄いページが多いということで、コンテンツの内容充実が必要です。